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「米軍がいなくなったら、どうやって日本を守るのですか」。辺野古や高江の米軍基地に反対していると言うと、こんな風に聞かれることが時々ある。そもそも、「海岸に50基以上も原発やら核施設やら並べておいて、戦争なんかやって勝てるわけないじゃないですか」としか思えないのだけど、それはさておき。また、僕自身は、そもそも米軍にいてもらう必要なんてないとも思っているけれど、まぁ、そこは異論のある人もいると思うので、これも今回はさておき。
少なくとも、辺野古・高江・普天間の問題に限れば、異論なんてありえないと思う。単にいらないんだもの。「お引き取りください」とだけ言えばいい。
そもそも、辺野古や高江で問題になっている米軍ってのは「海兵隊」のことだ。海兵隊というのは、敵地に侵攻するときに切り込み部隊として投入される、つまり、本質的に「守る」部隊ではない。最初からそういうものだ。別に沖縄にいる意味なんてない。実際、沖縄以外のあちこちに散らばって配置されているし、必要とされるときには、まずはどこかに集結して、それから活動を開始する。どこでもいいのだ。
「いやいや、沖縄はアジアのキーストーン。地政学的に、やっぱり米軍は沖縄にいる必要があるのでしょう?」。そう言う人もある。何年か前に、沖縄タイムスの記者さんが同じ疑問を感じて、海兵隊の司令官に直接、次のようにたずねたそうだ。「立地は沖縄がいい、と世間には言われている。しかし、沖縄から苦情が多いので九州あるいは北海道に移転してほしいと言われたら、米軍は応じますか?」。答えはこう。「イエス。沖縄でなくてもかまいません」。海兵隊司令官はこともなげに答えたという。(※)
要するに、軍事的な必要性なんて最初からお伽噺なんだってこと。それがなんで「沖縄はアジアのキーストーン」なんて話になったかというと、「どこでもよい」はずのものを沖縄に押しつけるということが、どうにも説明つかなかったからでしょうね。と、僕は考えています。
だから、普天間基地の米軍が沖縄・普天間にいるのは、ただ、そこに基地があるから、日本政府が金出してくれるから。そして、日本に暮らす人々の多くが、「なんとなく米軍がいないと不安だな」「沖縄が位置的に大事だと言っているから、きっとそうなんだろうな」と、誰かがどこかで言っていることを鵜呑みにして、現実を容認してしまっているから。原発の安全神話と同じようなもので、「沖縄=アジアのキーストーン神話」とでも言うべきものに過ぎない。
こういうことを政治家はもちろん言わないし、おそらく、かなりの数の政治家が知りもしない。大手メディアも報じないし、取材もしない。そろそろ、そんな政治家やメディアを戴いている社会に暮らしていることを自覚しましょう。ここまでされて、それでも政治家やメディアの言うことを鵜呑みにするなら、それはもう立派な共犯者ではないでしょうか。
(文:モン=モジモジ)
(※)屋良朝博『砂上の同盟 米軍再編が明かすウソ』、沖縄タイムス社より。