京都行動は以下の声明を発表し、府議会の各会派議員団室に渡してきました。
皆様の二月府議会への注目をよろしくお願い致します。
【声明】
2008年2月20日
京都府拡声機規制条例の改悪に反対する
沖縄・辺野古への新基地建設に反対し、普天間基地の撤去を求める京都行動
ホームページ:http://kyoto-action.jugem.jp/
電子メール:no_base(アット)livedoor.com
07年10月、京都府警は、「『拡声機による暴騒音の規制に関する条例の一部を改正する条例(案)』の概要」を発表し、現行の拡声機による暴騒音の規制に関する条例について「1.換算測定方法の導入」、「2.拡声機使用停止命令規定の新設」、「3.複数の者による拡声機の同時使用に対する移動命令規定の新設」、以上3点の改悪を行うことを公表し、パブリックコメント手続きを開始した。
私たち京都行動は、このパブコメ手続きに対し、条例改悪に反対であり撤回されるべきだとの意見を送った。私たちは特に「3.複数の者による拡声機の同時使用に対する移動命令規定の新設」を問題視し、これがなされてしまうと、いわれのない移動命令が私たちになされてしまうことを危惧する旨の意見を提出した。現行の条例では、2人以上の者が同時に近接した場所でそれぞれ拡声機を使用した結果、10m離れた地点から測定し85デシベルを超える音が発生しているときに、警察官が当該使用者に対して音の発生を防止するための必要な措置をとることを勧告できるとしている。改悪案においてはかかる勧告に従わず引き続き複数の拡声機が使用され85デシベルを超える音が発生していたら、当該使用者に対して警察官はその場からの移動を命じることができ、従わない場合には6ヵ月以下の懲役又は20万円以下の罰金を科しうるとするものとしている。
府警は、要人の会談など国賓の来洛時において、抗議する団体の街宣車の隊列などを例にあげ、規制強化の必要性を説いている。しかしながら、歩きながら拡声機などを使用して訴えを行ないながら進む一般のデモ行進の隊列や、拡声機を用いて街頭宣伝をおこなう人々に対し、妨害団体の街宣車が大音量で近づいて来て威圧行為を仕掛けてくることは多々あることだ。このような場合でも、とにかくその場で85デシベル以上の音がでていたら私たちに対しても刑事罰を持ってして移動命令が下されてしまう。これを悪用してわざと爆音を発して近づいていき、意に添わない街頭宣伝などを警察に移動命令をださせることによって妨害することも可能になってしまう。私たちは毎週定例で拡声機を使用して街頭宣伝を行なっている。この先もそうしていくつもりであり、私たちに対する移動命令など到底容認できず、国家権力による民衆運動への不当介入であると考える。
京都府下では私たちの知りうる限り、民主勢力に向けて警察が測定器を使用したとの事例を耳にしたことはないが、他府県においては自衛隊への抗議行動や労働争議の現場などで警察が測定器を使用していたり、福岡のフリーター労働運動家たちの主催した06年のデモに対して警察が測定器を向けていた等の話しは聞いている。国家や資本の意に添わない活動を弾圧するための道具としても使われている現状を見ると、そもそも現行条例の存在にも危惧を抱かざるを得ない。日弁連も1992/9/18付けの会長声明において、当時の東京都拡声機規制条例案の上程にあたり、85デシベルの基準が厳しすぎる点や、一部の常軌を逸した拡声機使用については「刑法の脅迫罪、強要罪、名誉毀損、侮辱罪、軽犯罪法の静寂妨害罪、道路交通法など」の現行法規によってまずは対応が講じられるべきとの点を指摘し批判をしている。
(東京都の条例は京都の現行条例より厳しい。「違反者」へ拡声機や街宣車の提出命令がだせたり、「再犯防止措置」を24時間内で命令できたりと、日弁連会長声明にはそれらのことへの言及も含まれている。都条例は他にも拡声機を貸し出した所有者に対し違反防止の「必要な措置」を勧告できたりもする。)
15年ほど前に警察庁主導で全国の都道府県で制定されていった現行の拡声機規制条例だが、今回の京都府と同様の条例改悪は報道によると(07/10/21毎日)、すでに34都府県で強行されているようだ。しかし、政治的表現が活発に行なわれ真の民主主義社会が実現されるためには、私たちはヘコタレルわけにはいかないのだ。
私たちの日常の活動を脅かし、憲法で保障されている表現の自由を侵害する恐れが非常に高いこの改悪案には、京都行動は強く反対し、3月21日が最終本会議の2月府議会において、各府議会議員は反対の立場をとる事を強く求める。
以上