「普天間」県内移設撤回求め決議 名護市議会
琉球新報 2010年10月15日
【名護】名護市議会(比嘉祐一会長)は15日の9月定例会最終本会議で、米軍普天間飛行場「県内移設の日米合意」の撤回を求める意見書と決議を17対9の賛成多数で可決した。同議会で名護市辺野古への移設に全面的に反対する決議が可決されるのは、1996年以来。
移設に断固反対する稲嶺進名護市長に加え、市議会も反対の意志を明確にしたことで、政府が辺野古移設を推進するのは一層困難になりそうだ。
意見書と決議では、辺野古移設を明記した5月28日の日米共同声明について、「県外移設を求める名護市民および県民の意志に沿うものではなく、民主主義を踏みにじる暴挙として、また県民を愚弄するものとして到底許されるものではない」と厳しく批判。
「政府に対し名護市民、県民の総意を踏みにじる『県内移設の日米合意』に激しい怒りを込めて抗議し、その撤回を強く求める」としている。
政務三役 対応せず 日米合意撤回 名護市の要請に
沖縄タイムス 2010年11月6日
【東京】米軍普天間飛行場の県内移設に反対し、名護市辺野古を移設先とした日米合意の撤回を要請するため上京していた稲嶺進名護市長や比嘉祐一市議会議長らは5日、政府側の応対者が政務三役でなく事務方だったため、内閣府への要請以外の日程をキャンセルした。帰任前に国会内で会見した稲嶺市長らは「誠意ある対応と思えない」と批判した。
政府側は、政務三役で対応しない理由として(1)国会の委員会出席や漁船衝突事件のビデオ流出問題への対応などで多忙(2)普天間移設の政府方針に沿わない考え方や知事選直前という時期も考慮した―としている。
会見で、稲嶺市長は「名護市の民意を政府に届ける責任がある。政府にはしっかり受け止める誠意を見せてほしかった」と指摘。比嘉議長は「(県内移設反対に向けて)世論が高まる中、そういう対応でいいのか」と強い不快感を示した。
稲嶺市長らは、大臣ら政務三役への面会を求めたが、内閣府は清水治政策統括官、外務省で梅本和義北米局長、防衛省で桝賀政浩再編推進室長、米国大使館でブルネット・チェン安全保障政策課長補佐が応対するとされた。首相官邸にも面会を求めたが回答がなかったという。
安保、医療で違い鮮明 県知事選立候補予定者公開討論会
琉球新報 2010年11月6日
11日告示、28日投開票の県知事選に向けて琉球新報社と沖縄テレビ、ラジオ沖縄の3社は5日、立候補を予定する現職の仲井真弘多氏(71)=自民党県連、公明推薦=と前宜野湾市長の伊波洋一氏(58)=社民、共産、社大推薦=を招いた公開討論会を、那覇市泉崎の琉球新報ホールで開いた。米軍普天間飛行場の移設先を県外に求める仲井真氏と、グアム全面移転を示す伊波氏とで、返還問題の解決手法や日米安保の考え方で違いが表れた。泡瀬干潟沖合埋め立て事業への対応や、県立病院独法化・看護学校民営化の是非など、行政運営の方向性でも対立軸が鮮明となった。知事選には幸福実現党の金城竜郎氏(46)も出馬を予定している。(中略)
日米安保の見解では仲井真氏が「不安定な東アジアの安全環境のためにはまだまだ必要で、日米同盟も重要だ」と主張したのに対し、伊波氏は「50年前の冷戦時代の条約であり、平和友好条約に作り替えないといけない」と持論を展開。自衛隊の先島配備でも、仲井真氏が容認、伊波氏が反対と主張が対立した。