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「おだやかなる未来をおもう」
僕は2014年からカヤックメンバーとして辺野古の海に出てきた。だいたい年に5、6回のペースで参加してきたのだが、実は一昨年の10月を最後にしばらく辺野古には行っていない。全国的にコロナが拡大する中、沖縄県外から海上行動に参加するには1週間以上の滞在期間を経てからにしようという自分たちが決めたルールがあるのだ。そんな状況なのでしばらく現場から遠ざかっている僕がここに書くのは場違いな気がするのだが、海を想うみんなと今後もつながっていたいという気持ちがあるので、少しだけ書かせていただこうと思う。
辺野古に行ったときにはだいたいテントで寝る。テントといってもゲート前にある集会用テントではなく、キャンプ用テントを持参し、浜に張ってひとりで寝る。
過去に海上行動のメンバーに「今日はどこに泊まるの?」と聞かれ、「いつもどおり浜にテントを張って寝ます」と答えたら、「気を付けないと襲われちゃうかもしれないよ。」と言われたことがあった。そうした現実がすぐ隣りにあることに驚きを感じた出来事だった。
カヤックでの海上行動では、新基地建設を少しでも遅らせるために防衛局や海上保安庁、現場作業員に抗議をする。
「海を守れ!」、「海を壊すな!」、「新基地建設反対!」、カヤックや抗議船の上から発せられる命令形口調の数々に心がざらつくことがある。この海を守るためではあるのだが、「攻撃性」をもつ言葉の数々にさみしくなる自分がある。
一日の行動を終え、人目につきにくい時間になった頃、ひとり浜でテントを張る。僕にとってこのテントは高ぶった気持ちをリセットできる空間。ここに通っている理由を、自分の気持ちをいま一度確認する。
瀬嵩の浜から見る景色も変わってしまった。以前にはなかったフロートが大浦湾の向こうに浮かんでいる。干潮時にみんなで寝そべった辺野古崎の岩礁地も埋め立てられてしまった。ここに通いだした頃にくらべると、穏やかな気持ちにさせてくれた自然は着実にこわされている。
それでも、僕はこれからも海に出ようと思う。いつの日か工事が中止され、作業船も防衛局の船も、我々の抗議船も、「海を守れ」のプラカードも、あらそいごとがぜ〜んぶなくなった海で、心の底から穏やかな気分を味わいたいから。
みんなが心の底からおだやかになれる近未来をめざして、つながっていきましょう。
カヤックメンバー TK